採用サイトを新たに立ち上げよう・リニューアルしようという際に、よくある悩みのタネは「採用サイトにはどんな内容(コンテンツ)をどれくらい載せればいいんだろう…」ではないでしょうか?内製するにしろ制作会社に頼むにしろ、「何をどう載せればいいのかわからない・判断に迷う」という採用担当の方は多いのではないかと思います。そこで、今回は私たちが採用サイトのプロジェクトを手掛ける際に大事にしているコンテンツ設計の考え方についてご紹介していきます。1. 一般的な採用サイトによくあるコンテンツ例皆さんは「採用サイト」と聞いて、どんな内容が載っていることをイメージするでしょうか?一般的によく見られるコンテンツと言えば、企業理念(ミッション・ビジョン・バリュー / パーパス)トップメッセージ(代表挨拶)会社概要事業内容仕事内容 / 仕事の流れ社員インタビュー募集要項こんな感じではないでしょうか?もちろんこのコンテンツ構成でも、クオリティが高ければ求職者にとって十分魅力的な採用サイト、要はCVR(検討→エントリー→選考参加→内定承諾の各歩留まり率)の向上に効果を発揮する採用サイトになりうると思います。では一方で、「自分が就職活動中、あるいは転職活動中だとして、見たいと思う採用サイトの内容は?」と聞かれるとどうでしょうか?ただ単に「事業内容」というのではなく「どんな課題を解決しているビジネスなのか?」「市場・顧客は誰なのか?」「今後の成長性は?」など、より具体的な情報が気になりませんか?このように、大事なのは「『自社が求める人物像にマッチする求職者』にとって魅力的なコンテンツとは?」を考えて構築できているか?という点です。「よそもやってるから」という理由でなぞったようにコンテンツを作ったとしても、採用サイトのメインターゲットである「就職活動市場」というものは毎年変わっていくわけですし、採用サイトをより良くしていくためにPDCAを回しながらコンテンツの質を高めていくようなことはできないはずです。2. 調査結果から見る「よく見られるコンテンツ」とは?では、実際に求職者が求めているコンテンツにはどのような傾向があるのでしょうか?大学生の就職活動について毎年調査を行っているキャリタス就活(株式会社ディスコ)の2024年卒採用に関する調査結果(※)によると、各フェーズのトップ3コンテンツは次のとおりです。■ インターンシップへの応募・参加時事業内容、実績:64.7%企業理念、トップメッセージ:47.5%会社概要(資本金、支社、グループ企業、沿革、歴史など):47.1%■ インターンシップ等への参加後に、振り返りや企業研究をする時事業内容、実績:50.8%日常の業務(職種、プロジェクト、1日のスケジュールなど):43.9%待遇、福利厚生、ワークライフバランス:37.6%■ エントリーや本選考応募をするかどうか判断する時待遇、福利厚生、ワークライフバランス:70.2%事業内容、実績:67.5%日常の業務(職種、プロジェクト、1日のスケジュールなど):53.6%■ エントリーシート作成時や面接前企業理念、トップメッセージ:72.2%事業内容、実績:69.8%会社概要(資本金、支社、グループ企業、沿革、歴史など):59.0%■ 内定承諾・辞退を判断する時待遇、福利厚生、ワークライフバランス:69.2%日常の業務(職種、プロジェクト、1日のスケジュールなど):45.2%事業内容、実績:43.8%※参照:キャリタス就活2024「2024年卒 採用ホームページに関する調査」- 株式会社ディスコ キャリタスリサーチ(2023年7月発行)何度も言うようですが、これらを網羅したからと言って良い採用サイトになるわけではありません。前述の通り、大切なのは「『自社が求める人物像にマッチする求職者』にとって魅力的なコンテンツとは?」を考えて構築できているか?という点です。とはいえこのようなランキングに入ってくるようなコンテンツは、多くの就活生にとっては「採用サイト内にあって欲しい」と思われている情報ということでもあります。それらを踏まえつつ、自社が求める人材の就活フェーズごとの多種多様なニーズを踏まえながら独自性のある情報を数多く取り揃えていくことが、採用サイトのコンテンツ作りには求められるのです。3. 独自性のあるコンテンツを作るには?続いて独自性のあるコンテンツを作る際の考え方のポイントをご紹介していこうと思います。私たちが採用サイト制作をお手伝いする際に、ヒアリングなどのリサーチ活動としてよく行うことは次の3つです。① 採用における「受注理由」「失注理由」を把握する例えば説明会に参加してくれた求職者は、他のどのような企業と比較してなぜ自社の説明会に参加してくれたのでしょうか?説明会参加後に選考にエントリーしてくれた求職者は、なぜエントリーしようと思ってくれたのでしょうか?同様に、内定承諾者や辞退者の傾向は?…このように、営業で言うところの「受注分析」「失注分析」をきちんと行うことが第一歩です。もちろん、仮説の精度を高めるためには採用担当としての主観や感想ではなく「客観的事実」を集めたいので、もし会社説明会や選考でアンケートをとっていないのならすぐにでもアンケートを作ることをおすすめします(そのうちアンケートの作り方について別記事も書きたいと思います)。② 「求める人物像(ターゲット)」を具体化する先述した通り、採用サイトを見て欲しいのは「求める人物像」、すなわち最終的に内定を出したい求職者であるはずです。したがって、自社が求める人物像がエントリー時や選考時、入社検討時などに参考にしたくなるようなコンテンツがないと採用サイトとしては意味をなしません。では、そもそも自社が求める人物像をどこまで具体化できているでしょうか?「優秀な学生」「〇〇の経験がある人」というレベルで考えるのではなく、自社が欲しい人材・現に活躍している人材の傾向として、どのような学問・業務をどのような動機で経験してきたのか?仕事に対する価値観は?どのような業界・業種・職種を検討しているか?どのようなキャリアを望んでいるのか?検討時の判断軸・優先順位は?などを整理しておけると、求める人物像の解像度が高まるのではないかと思います。③ 採用競合他社の採用サイトを観察する彼を知り己を知れば百戦殆うからず、です。まずは自社を志望する求職者がエントリー時や入社検討時に比較対象としている企業を知りましょう。そしてそこの採用サイトや企業サイト、ナビサイトに載っている情報をよく観察するのです。求職者はそこに載っている情報をもとに、自社との比較検討を行うはずです。それと同じように採用競合他社の情報を見ることで、客観的な自社の強みと弱みを把握し、「強みを引き立てるコンテンツ」「弱みを打ち消すコンテンツ」を考えられるとグッドです。また、最近では就職活動や転職活動時に「転職口コミサイト」を参照することも一般的になってきています。その会社が現役社員や元社員目線からはどのように見えているのか?社内サーベイなどでは正直に書きにくいことなどもはっきりと書かれていることもあり、入社を検討する求職者にとっては貴重な情報源になっています。そしてもちろん口コミサイト内でもさまざまな企業を比較しながら情報収集するのが求職者の一般的な行動なので、採用サイトのコンテンツを考える上では自社はもちろん採用競合他社の口コミも見ておくべきでしょう。口コミサイトはアカウントを作ったり自ら口コミを投稿しないと内容が読めないというようなサービスも多いので、一手間かかってはしまいますが、採用ブランディングの改善をしていく上では必ずチェックしておきたいところです。4. さいごに:サイト訪問者の満足度を高める採用サイトに自社で採用サイトを持つことのメリットは、制約なく多くの情報を掲載していくことで、訪問者の満足度を高めコンバージョンを促せることにあります。ナビサイトのようなフォーマットや文字数が決まっているメディアにはない豊富な情報を載せていける、このメリットを活かさないのは非常にもったいないと言えます。しかしながら、採用サイトやコンテンツを作っていく上で、時間や工数、予算といった制約があるのも事実です。最終的には作りたいコンテンツに優先順位付けをし取捨選択することが必要になります。私たちとしては、その最終的な判断基準として大切にしたいのは、やはり「サイトを訪れた『求める人材』に満足してもらえるか?」だと思います。何度もお伝えしたとおり採用サイトは「求める人物像に見てもらうこと」「自社に興味を持ってもらうこと」「自社を好きになってもらうこと」を目指して作るものです。求職者目線のより良い採用サイトが作れるよう、ご紹介したポイントをぜひ参考にしてみてください。私たち D-GHOST は、特に人事領域の課題解決を基軸とした、Webデザインや動画制作、プレゼンテーションデザインなどのクリエイティブ制作を得意としている「人事に強いデザイン会社」です。業務における課題の調査・マーケティングリサーチ・戦略設計などの上流工程から、Webサイト、動画、各種コンテンツ、研修プログラム、プレゼンテーション資料などの立案・設計・制作まで、一連のプロジェクトに対応できます。人事関連で課題をお持ちの方や、コーポレートサイト・採用サイト・動画などの制作でお困りの方は、私たちにお気軽にご相談ください。D-GHOSTの特長D-GHOSTのサービスお問い合わせ資料ダウンロード